目次
身長と遺伝は深い関係がある!
身長は遺伝が関係するもっとも大きいもののひとつ
父と母、どちらから遺伝する?
身長は隔世遺伝の場合もある!
うちの子小さいかな?と気づくタイミング
両親の身長の組み合わせで予測する子どもの身長は?
どのくらい伸びる?計算式で予測してみよう
両親の身長から予測する計算式とは?
身長と関係する「両親の思春期症状」
遺伝だけではない!身長に関係する大切なこと
身長を伸ばすために必要な要素2つ
睡眠
栄養
成長のタイミングにも気をつけたい
成長期のお子さんに取り入れたいこと3選
1 栄養に気を配り、特に朝食をしっかりとる
2 「縦方向の運動」を取り入れる
3 睡眠の質を高める
身長は遺伝以外の条件も大切!
タイミングは早い方が良い!
この記事のまとめ
「子どもの身長がなかなか伸びない」と悩んでいる方も、いるかもしれません。特に男の子は、できるだけ高身長のスラっとした体型に育ってほしいと、親としては願うものです。しかし、子どもの身長は、遺伝が関係していることがわかってきています。身長は骨格と深い関係があり、骨格は遺伝の影響を受けるためです。
ただし、人の成長は遺伝子だけで決まるわけではありません。この記事では、子どもの身長が父親・母親からの遺伝や隔世遺伝で予測できることや、遺伝以外に身長を伸ばすための方法があることについても、ご紹介します。
身長と遺伝は深い関係がある!
身長は遺伝が関係するもっとも大きいもののひとつ
親から子へ生物の特徴を伝えることを「遺伝」と呼びますが、身長は特に遺伝の要素が大きく、その割合は8〜9割とも言われています。
「子どもの友達の背が高いと思っていたら、その子のパパも背が高かった」ということは、よくあることではないでしょうか。そのぐらい、身長と遺伝とは深く関係しています。
父と母、どちらから遺伝する?
では、父親と母親、いったい遺伝の影響が大きいのはどちらなのでしょうか?実はそれについては、父母のどちらかから遺伝するとは、断定できません。
そのため、両親の両方が高身長であれば子どもも高身長になる確率は高いですが、どちらかが低身長の場合は子どもも低身長になる可能性が十分にあります。
身長は隔世遺伝の場合もある!
身長は両親の影響だけでなく、隔世遺伝の影響も受けます。たとえば両親が高身長なのに子どもが低身長だった場合は、隔世遺伝の可能性があるでしょう。もちろん、その逆もあります。「パパもママも身長が低いのに、なぜか子どもは背が高い」と思っていたら、パパのおじいさんが高身長だったというようなケースもあります。
新たに子どもを作るときは、祖父母のDNAがシャッフルされてランダムに受け継がれるので、両親の身長を引き継がずに、背が高い子や低い子が生まれることがあるのです。
うちの子小さいかな?と気づくタイミング
子どもが生まれたばかりの頃は、将来身長がどうなるかはまったくわかりませんが、だんだん成長してくると、「おや、うちの子大丈夫かな?」と気になるようになってきます。
そして幼稚園や小学校に入ったタイミングで、お友達と比べて自分の子が小さいことに、あらためて気付く親も少なくありません。
両親の身長の組み合わせで予測する子どもの身長は?
子どもの身長は、両親の身長の組み合わせのパターンから予測することができます。パターンは大きく分けて4つあります。
- 両親は平均的な身長 (→子どもも平均的な身長)
- 両親は高身長 (→子どもも高身長)
- 両親は低身長 (→子どもも低身長)
- 両親は高身長と低身長 (→子どもは低身長にも高身長にもなる可能性がある)
あくまで予測ではありますが、この4パターンの組み合わせから、子どもの身長を導き出すことができます。ただし④のパターンだけは、①〜③のパターンとは異なり、予測の振れ幅が大きくなってしまいます。
どのくらい伸びる?計算式で予測してみよう
両親の身長から予測する計算式とは?
身長に関して、日本体育協会が出している遺伝の計算式があります。両親の身長を使って、子どもの最終的な身長を予測することができるというものです。
これは「目標身長」と言われ、予測される最終身長の平均値を知ることができます。男の子の場合と女の子の場合では計算の仕方が違い、次のような計算式になります。あくまで平均値なので、この計算式の結果の数センチ前後に収まることは多いものの、それより高くなることも低くなることもあります。
<男の子の場合>(父の身長+母の身長+ 13・0)÷2+2・0
<女の子の場合>(父の身長+母の身長-13・0)÷2+ 2・0
この計算の結果で子どもの身長が低かったとしても、スポーツを断念したり悲観したりする必要はありません。遺伝のみで身長が決まることもないので、目安として確認しておくことをおすすめします。
身長と関係する「両親の思春期症状」
実は何の関係もなさそうな思春期症状と身長とは、密接な関係があります。たとえば高身長の父親は思春期症状の開始時期が遅く、低身長の母親は思春期症状の開始時期が早いといった傾向があります。
そのため、子どもと両親の思春期症状の開始時期を比較してみると、高身長・低身長を予測するひとつの目安になるでしょう。「子どもの思春期症状の開始時期が遅かったときは、高身長の父親に似ているので、高身長になる可能性がある」といった具合です。
遺伝だけではない!身長に関係する大切なこと
身長を伸ばすために必要な要素2つ
もちろん先ほどもお話ししたように、身長が高くなるか低くなるかは、遺伝による影響だけではありません。日常の心がけによって、身長を伸ばすことも可能です。
身長を伸ばすために必要な要素は、2つあります。それは「睡眠」と「栄養」です。それぞれについて、ポイントをご説明しましょう。
睡眠
「寝る子は育つ」と言いますが、睡眠は背を伸ばすためにとても重要な要素です。しっかりと睡眠をとっていると、寝ている間に多量の「成長ホルモン」が分泌されます。そしてその成長ホルモンが分泌されている間に細胞分裂が起こり、軟骨に働きかけて骨になり、成長して背が伸びるのです。
いつ寝るか、どれだけ寝るかも大切なポイントです。成長ホルモンは日中よりも夜間にたくさん分泌されるので、昼寝をするよりは夜間に十分な睡眠をとるのがベストの方法です。そのため、身長を伸ばしたいなら、夜はできるだけ早く寝て、深夜に熟睡できるようにしましょう。
栄養
睡眠とともに背を伸ばすために重要なのが、「栄養」です。栄養は身体をつくる原料なので、きちんと原料を身体に入れてあげることが、背を伸ばすことにつながります。
朝起きたらまずは水を1杯飲んで、寝ている間に体内で使われた消化液を流し、腸を動かします。そして、朝食はしっかりと摂るようにしましょう。ひと口につき最低15回は噛むようにして、食べ物が身体に吸収されやすいようにします。
骨の成長というとカルシウムのイメージがありますが、カルシウムは骨の密度を上げるための栄養素なので、それだけでは足りません。骨の成長を促すタンパク質とともに摂取することが大切です。それ以外にビタミンC・D・K・B群などのビタミンや、マグネシウムなども必要です。
成長のタイミングにも気をつけたい
身長を伸ばすためには、成長のタイミングにも気を付けましょう。人生には2回ほど、身長が大幅に伸びるタイミングがあります。成人になってからの身長と最も相関関係が強いのは、思春期開始時点の身長の伸びです。
前思春期にいかに身長を高くしておくかが、成人身長を伸ばすための大きなポイントとなります。この時期には、睡眠と栄養に特に気を配り、身長が伸びるよう最大限に身体を整えておくことが大切です。間違ってもこの時期に、無理なダイエットをしたり、夜中までゲームで遊んだりということはしないように気を付けましょう。
成長期のお子さんに取り入れたいこと3選
身長を伸ばすことは、遺伝の要素も関係するので限界もありますが、努力することで多少なりとも違いが表れます。特に成長期には、諦めずにいろいろと試すことが大切なので、次のことをやってみることをおすすめします。※効果を保証するものではありません。
1 栄養に気を配り、特に朝食をしっかりとる
体を作る材料がなければ身長は伸ばせないので、成長期には栄養に十分に気を配りましょう。特に朝食は抜かず、しっかり食べる必要があります。
骨の成長や栄養の吸収に必要なカルシウム、たんぱく質、ビタミン、マグネシウムなどの栄養素も、積極的に摂ることが大切です。手軽に食べられるものとしては、納豆や魚の缶詰、キウイ、みかん、バナナなどのフルーツ、すりゴマ、チーズ、ナッツ類などがあります。
食事で補えないものは、サプリメントなどで上手に補いながら、栄養をしっかりと摂りたいものです。
2 「縦方向の運動」を取り入れる
背を伸ばすために運動も重要ですが、ハード過ぎる筋トレは骨の成長を止めてしまう可能性があるので、ほどほどにしましょう。
たとえばジャンプをして関節を伸ばしたり、鉄棒やうんていに“ぶら下がる”など、関節を伸ばす運動や、縦方向に負荷をかける運動を取り入れるのが効果的です。
3 睡眠の質を高める
睡眠は背を伸ばすために最も重要な要素ですが、質の高い睡眠をとることも非常に重要です。睡眠のゴールデンタイムは午後10時から午前2時までの間で、この時間帯に最も多く成長ホルモンが分泌されるので、できるだけこの時間は寝ているようにしましょう。
また、睡眠は最初の90分が鍵を握っていると言われています。入眠時に深いノンレム睡眠に入れるよう、グッスリ寝るための環境づくりも大切です。
身長は遺伝以外の条件も大切!
タイミングは早い方が良い!
身長は個性とも言えるので、そのままで何も気にならなければ、がんばって伸ばす必要もありません。でも、もしご両親やご本人が身長を伸ばしたいと考えるなら、対応策を考えることはできます。
身長を伸ばせるタイミングは意外と早いので、早めに情報を集めたり、専門家に尋ねるなどして方法を考えましょう。
DNA JAPANでは、身長についてのDNA検査は研究中のため、現在はサービスとしてご提供しておりません。
遺伝子から子どもの能力を測る検査としては、「子ども”能力・感性”遺伝子検査」のサービスがあります。可能性を広げるための選択肢のひとつとして、ご検討してみてはいかがでしょうか。
この記事のまとめ
身長は遺伝の影響が大きく、8割以上は遺伝で決まってしまうと言われています。しかし、日頃の努力次第では、身長を高くすることも可能です。
「身長は遺伝だから」といって諦めることなく、睡眠や栄養に気を配り、特に成長期は健康管理をしっかりと行って、少しでも身長を伸ばすための努力をしましょう。