妊娠中DNA鑑定では、子どもの血のつながった父親が誰なのかを、生物学的に調べることができます。母親の血液から検出される胎児のDNAと、父親の可能性のある男性のDNAから、親子関係を調べます。プランによっては、2名以上の疑父の鑑定や、赤ちゃんの性別の判定まで可能です。

妊娠中DNA鑑定は、お腹の子の父親がわからずに不安な人や、悩んでいる人を対象とした検査です。積極的に検査を受けることで、気持ちを落ち着けて出産に臨むことができるでしょう。

妊娠中DNA鑑定には「私的鑑定」と「法的鑑定」があります。どちらも親子関係を確認するための鑑定であることには変わりありませんが、「私的鑑定」は個人的な確認を目的としたものです。そのため、検体検査時の立会人も必要なく、法的鑑定より料金も安くなります。

それに対して「法的鑑定」は、調停や裁判といった法的手続きを考慮して行うものです。検体提出時には立会人が必要なので、法律の専門家や鑑定機関のスタッフなど、第三者が立ち会って検体を採取します。立会人の依頼や検査結果書類なども費用に含まれるため、私的鑑定よりも料金は高くなります。

妊娠中DNA鑑定の費用の相場は、「私的鑑定」が11万円～17万円、「法的鑑定」が19万円～25万円です。料金は検体採取キットなどを含めた総額です。

妊娠中DNA鑑定の料金は、私的鑑定でも法的鑑定でも、妊娠週数やオプションの有無によって幅があります。たとえば父親の可能性がある人が複数いる場合には、検体を追加するため、料金がプラスされます。また、急いで鑑定結果を出したい場合には、スピード鑑定サービスや速報サービスなどのオプションが追加になります。

実際に鑑定を行う場合には、自分自身のケースに合わせて細かく料金を試算した上で、確認しておく必要があります。

妊娠中DNA鑑定の検査がいつからできるかというと、一般的に7週目以降から検査が可能です。論文などで、妊娠7週目から胎児由来のDNAの存在が確認されているためです。

しかし、母体血中の胎児DNA量は個人差が大きく、妊娠7週目以降でも再検査となる可能性はあります。一般的には妊娠期間が長くなるにつれて、胎児由来のDNA量は増加します。

そのため、時間的な余裕のある人は、14週目以降に検査を受けることをおすすめします。妊娠中DNA鑑定の検査がいつまで可能なのかについては、特に期限は設けられていません。

では、妊娠中DNA鑑定を行うタイミングは、いつ頃がいいのでしょうか？妊娠中DNA鑑定の検査可能期間が特に設けられていないとはいっても、お腹の子の父親が誰なのかが不安なのであれば、できるだけ早めに結果がわかった方がいいでしょう。気持ちも落ち着き、対処すべきことがあれば、適切なタイミングで進めることもできます。

妊娠中DNA鑑定の方法もさまざまあり、羊水検査などのように、検査方法によっては妊娠16週目以降に行う場合もあります。ご自身がどの検査を希望するのかもよく考えた上で、検査を受けるタイミングを決めましょう。

ここでは、最新の妊娠前DNA鑑定の方法である、妊婦さんの血液を用いた検査についてまとめます。血液検査は、羊水検査よりも母体や胎児に負担がかからず、安心して検査を受けることができます。

羊水検査は産婦人科で行いますが、血液検査は提携クリニックで行うことができます。お母さんから採血した血液には、微量のDNA断片が含まれており、胎児由来のものも含まれています。そのDNA断片を分析することによって、胎児の遺伝情報内に、鑑定の対象となる父親由来のDNAが含まれているかどうかを検査します。

女性は血液を採取しますが、男性は口腔内粘膜を採取し、それをもとに提携クリニックで検査を行います。血液検査は羊水検査よりも早い段階から検査を受けることができ、羊水検査のように流産や死産に繋がるリスクもありません。

妊娠中DNA鑑定の検査場所は、女性はクリニックで採血を行いますが、男性は自宅で済ませることができます。

妊娠中DNA鑑定を申し込むと、「妊娠中DNA親子鑑定キット」が送られてきます。私的鑑定では母体血20mlと男性の口腔内粘膜細胞が必要ですが、母体血は同封された採血管を使い、提携クリニックで採血を行います。男性の口腔内粘液細胞については、同封の綿棒を使って頬の内側を擦って、採取します。

採血と口腔内粘液細胞を封筒に入れ、返送または直接持ち込みして、検査の申し込みは完了となります。

妊娠中DNA鑑定を希望する人の中には、「鑑定を申し込みたいけれど、もしもそれがバレたら」と気にしている方もいるかもしれません。

身近な人にバレずに鑑定を進めたい場合、父親のDNAについては、口腔内粘膜細胞以外に歯ブラシや避妊具、抜いた髪の毛、タバコの吸い殻などからも検査が可能です。

女性の場合は、採血以外は基本的に郵送によるやり取りなので、誰にも知られずに検査を受けることができます。